学生生活サポート
ハラスメントについて
ハラスメントとは?
社会的関係や地位を利用して、相手に不当な圧力をかけ、これを拒んだ場合には、教育・研究・臨床実習・クラブ活動・雇用、その他の生活の場で不利益が生じるなどの脅迫や嫌がらせの言動を行うことをいいます。
アカデミック・ハラスメントやパワー・ハラスメントがその代表的なものですが、場合によっては、これらのハラスメントとセクシュアル・ハラスメントとが合わさって起こることもあります。
これらのハラスメントは、個人的な感じ方の問題として生起します。ですから、加害者としての認識がなくても、相手に性的な言動や不当な圧力ととられ、不快や脅威を感じさせる場合もハラスメントになることを知っていなければなりません。
では、具体的に大学内外で、どのようなことがハラスメントになるのでしょうか。
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(1)言葉によるハラスメントの例
- 「男のくせに」とか「女のくせに」などと言われ、不愉快になった。
- コンパや部活の場で、「胸が大きい」とか「小さい」とか、
身体に関することを言われ、不愉快になった。 - 「お茶くみやお酌は女子のやること」と言われる。
- 「異性関係にだらしない」などの不本意な噂を流された。
- 実習先で、「女子はつかいにくい」などと繰り返し言われた。
- 腹痛を訴えたら「生理か?」とみんなの前で聞かれた。
- 講義中、教員の卑猥な言動に対して抗議をしたら、
「嫌なら出席しなければ良い」
「冗談の通じないような学生には単位をやらない」と言われた。
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(2)行動によるハラスメントの例
- 実習先で、患者にわざと胸や腰を触られた。
- 執拗に顔をじっと見られたり、身体をじろじろと見られたりした。
- 実技の実習で教員に、必要以上に手をとって指導をされて、不快であった。
- 身体に関する実技の実習で教員に、必要以上に肌を露出させられたり、
ことわりもなく身体に触られたりした。 - 合宿やコンパの席で、酒に酔った教員や学生に、身体を触られた。
- 飲酒をしつこく強要された。
- 男性・女性というだけで、不公平な扱いや評価を受けた。
- 研修旅行先で、ホテルの部屋に呼ばれ、夜遅くまで酒の酌をさせられた。
- 教員から車の送迎を強要され、断わると成績に影響すると感じた。
- 上司から必要な情報が故意に与えられなかった。
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(3)視聴覚媒体によるハラスメントの例
- 研究室にヌードポスターが貼ってあって、不快で居心地が悪かった。
- 卑猥な雑誌やアダルトビデオを、わざと見せられ、嫌がるとおもしろがられた。
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(4)インターネットや携帯電話などによるハラスメントの例
- 交際を断わったら、無言電話をしつこくかけてこられた。
- たいして用件もないのに、夜遅くたびたび携帯に電話された。
- メールアドレスを勝手に「出会い系サイト」に掲載された。
- ホームページに根も葉もない卑猥な噂話を載せられた。
加害者にも被害者にもならないために
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(1)加害者にならないために
性的な言動や不当な圧力に対する受けとめ方には、個々の状況によって差がありますが、ハラスメントであるかどうかの判断は、被害者の判断が基準となります。
あらゆる人間関係において、相手の人格を尊重し、対等な関係をつくっていくことが大切です。気がつかない間にハラスメントの加害者にならないよう、次のようなことに心がけましょう。
- 「良好な人間関係」ゆえに、この程度のことは相手も許容するだろうと勝手な思いこみをしない。
- 地位や立場上の違いから、相手がはっきりと拒否の意思を示すことができない場合もありうる。
それを合意だと勘違いしない。 - 学習・研究上の指導や助言をしたり、学生生活上の相談を受けたりするときには、
ドアを開けておくなどの工夫をして、誤解を招かないようにする。 - 言動の表現について多様な受けとめ方があることに十分な配慮をおこない、
特に過度な物理的接近・接触は避ける。 - 実技実習や臨床実習の場において身体接触や肌の露出が必要になる場合は、
場面に応じて相手に一言断る、露出を最小限にする工夫をする、などを習慣化する。 - ハラスメントにあたるかどうかの判断は自分ではなく相手の側にあるという認識をしっかりと持つ。
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(2)被害者にならないために
ハラスメントの加害者のなかには、自分の思い込みや勘違いを反省せずに、相手に「スキ」があったからだなどと、被害者側に責任を転嫁しようとするものが多くいます。とりわけ、「肌を露出する服装」や「派手なお化粧」、「親しげな言葉遣い」は自分に対する好意・誘いと勘違いする者は珍しくありません。
もちろん、勝手な思い込みからその「スキ」につけこんで、相手の心身を傷つけることは許されないことです。しかし、そういう思い込みをされないよう、自分の身を守ることが必要です。気がつかない間にハラスメントの被害者にならないよう、次のようなことに心がけましょう。
- 自分の服装や言動に責任をもち、誤解がされないように、毅然とした態度で行動する。
- 住所や携帯電話番号、メールアドレスなどの個人情報を、不用意に知らせない。
- 学習・研究・就職相談などの際、過度に相手に接近しないなど、節度のある態度をこころがける。
- アルバイトや就職活動に際しても、注意深く行動し、軽い気持ちで誘いにのらない。
- 相手の言動に不快や苦痛を感じる場合は、そのことをはっきりと相手に伝える勇気を持つ。
- 不安を感じるときは、はやめに周囲に相談したり、助けを求めたりする。(ハラスメント相談窓口はこちら)。
ハラスメントの被害にあったときにできること
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(1)ハラスメントの被害にあったときにできること
ハラスメントを受けたと感じた場合、一人で悩んで不快な気持ちを抱えていても問題は解決しません。無視したり受け流していたりしても、その場限りの逃げ道で、状況は改善されません。ハラスメントが深刻になる前に、また、ほかの被害者をつくらないためにも、そして、認識のない加害者に事の重大さを知らしめるためにも、勇気をもって次のことをしましょう。
- どんな些細なハラスメントでも、毅然とした態度で、はっきりと相手に不快感を伝え、必要ならば、「NO」の意思を告げましょう。そのことが、被害を未然に防ぐことにつながります。
- 一人で悩まないで、信頼できる人、もしくは相談員(次項)にすぐ相談しましょう。
- 「いずれはなくなるだろう」と、うやむやにしたり、「わかってくれるだろう」と、期待したりしないことです。
- 「自分に非があったのでは?」と自分を責める必要はありません。
- あなたの受けたハラスメントについて、いつ、どこで、だれから、どのような被害を受けたか、できるかぎり詳細な事実の記録をその都度つけておきましょう。(メール等の内容を取っておく)問題解決の役に立ちます。
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(2)ハラスメントを受けた人の権利
ハラスメントはあくまでも、被害者の判断・感じ方に基準があるのですから、被害者としての権利をしっかりと認識したうえで、行動をとることが大切です。ハラスメントを受けた側には、次のような権利があることを念頭においてください。
- 自分の気持ちと判断にしたがって、何をなすべきか決める権利があります。
- 被害を主張する権利があります。
- 被害者としておとしめられることなく、公正に扱われる権利があります。
- 被害者として、怒り、悔しさ、悲しみ、不安などの感情を訴える権利があります。
- 必要な情報やアドバイスを受け、相談・指導を受ける権利があります。
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(3)友人からハラスメントの相談を受けたら
友人からハラスメントにあって悩んでいると打ち明けられたら、うやむやにせず、毅然として対応するようにアドバイスしてあげましょう。そして、自分たちだけでは解決できないと感じたときには、ためらわずに相談員に相談するようにしましょう。
ハラスメントに関する相談窓口
被害について話すことは、勇気のいることですが、とても大切なことです。相談窓口で、真剣に自分の気持ちに耳を傾けてもらい、援助を受けることによって、自分自身で、自分の被害と向き合い、それを乗り越えていくことができます。もちろん、相談は個人の秘密として守られ、問題解決の過程では、常に相談者の意思が尊重されます。ひとつの問題を解決することによって、将来の力になりますので、ためらわないで相談窓口を利用しましょう。
本学部ではハラスメントに関して専門の相談員を置いています。学内だけでなく、アルバイト先や実習先など、学外で起こったハラスメントについても相談することができます。
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(2)申し込みの方法
- 相談を希望する相談員に直接、電話またはメールで面談を申し込んでください。相談員が時間と場所を指定します。
- 電話やメールで相談にのってもらうことはできません。必ず面談の予約を取りつけ、直接会って相談するようにしてください。
- ハラスメント相談員はハラスメント相談のみに応じます。その他の相談は学生係学生相談室で受けつけています。相談員は、ホームページおよび学内の掲示板に公開しています。
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(3)相談窓口で(相談員に)してもらえること
ハラスメントを受けて困っている時、どうしていいかわからないとき、あるいは誰かの援助を受けながら問題の解決に立ち向かいたいとき、相談にのってもらえるのがハラスメント相談員(以下、相談員)です。
相談員には次のことをしてもらうことができます。- 話を聞いてもらい、気持ちの整理を助けてもらう。
- 加害者にどのような対処をすればよいか、相談にのってもらう。
- 本学部のハラスメント調査委員会に調査を依頼するにあたって、判断と手続きを援助してもらう。
- 緊急時に、行動指針を示してもらう、など。